幻のラーメンと言われる竹岡式ラーメン『梅乃屋』究極レビュー(3)
【コレが、私と竹岡のラーメンとの初対面だ!】
竹岡ラーメンとの初対面の時なのですが、例の私のツーリングの5年後にあたる1988年に千葉市の隣の市原市で働いていた弟から、『兄貴、袖ヶ浦市長浦に「竹岡ラーメン」という凄く美味いラーメンが有るから食べに行こうぜ !』という誘い文句を聞いたので、私は思わず「あの竹岡ラーメンか?・普通は木更津で食べる物だぜ、どうしてアレが長浦に在るんだ?」と半信半疑ながらの私は、1杯の「竹岡ラーメン」を食べる為に船橋から車を40km程走らせてJR長浦駅近くの店まで行きました。
今から20年位前ですからその当時この辺りは、昼間でも殆ど人影を見かけない寂しい場所でした。車から降りてみるとそこには小さな飲食店が軒を連ねていまして、その中の1件の看板には、確かに「登録商標竹岡ラーメン」と書いて有りました。あまり繁盛している様には思えないお店でしたが、早速ラーメンを注文してみると出されたラーメンは、確かに醤油ラーメンなのですが、一般的な東京風醤油ラーメンとは違う、ナルトの紅白や、ほうれん草の緑の鮮やかさも無い、スープにしろ、麺にしろ、チャーシューにしても褐色した色のみが目に付く、素朴なチヂレ麺の醤油ラーメンで、大胆にブツ切りされたチャーシューと、メンマと海苔がトッピングされていまして、特徴的なのが、長ネギでは無く、刻みタマネギが添えられていたのです。
『掲載写真は、長浦の竹岡式ラーメン店のチャーシュー麺』2009年2月撮影・Nikon D300&AF 50mm F1.8D
店の人は、当たり前の様にテーブルの上にラーメンの器を載せたのですが、驚くべき事に、更にもう一つの小さな器が出されたのでした。
チャーハンを頼んではいないのにチャーハンに添えられるスープ器に醤油タレが入っています。私はこの小さな器の意味が解らなかったのですが、弟は手馴れた感じで中のタレをレンゲですくって、見た目にも濃くてショッパそうなラーメンの中へと更に加えて行ったのです。「兄貴、このタレを3杯位加えて食べると美味いんだぜ !」と言うので、私もまだ口にしていなくて味の解らないラーメンの中にそのタレを3杯分加えて行きました。
私は、その醤油辛さが想像も付かなくて、見た目にも鮮やかさが無くて決して美味そうには見えない未知のラーメンを恐る恐る口にしてみました。すると不思議な事に思っていたよりも醤油辛くは無くて、不思議な程に凄く美味しいのです。見た目には、食べ物には相応しく無いドギツイ色なのですが、独特の醤油ダレがマロヤカさを持っていて細い縮れ麺にそのタレが上手く絡んで口に運ばれて行くのです。更に病み付きの美味しさを持っているのが、大胆にも惜しげも無く添えられているチャーシューなのです。チャーシューは、本来は「焼き豚」ですから、こちらの物は「煮込み豚」が正確な表現なのかもしれません。大胆にブツギリされたそのチャーシューは、口に入れると軟らかくトロケてしまうのです。とにかく車を40km走らせて来るだけの事は在ると思える絶品の味でした。(ウマーかったーです。)
千葉県ではこの様なラーメンを「竹岡式ラーメン」と呼んでいます。(写真はチャーシュー麺でして、タレを加えていますので、前掲載画像とスープの色が違います。)
そのラーメンを食している時に、私は弟から色々と聞きました。
☆何故、お前はこの店を知っているのか?
「俺の職場の先輩がこの辺りの出身で、昔からココで食べていたのさ。」
☆ 確かに初めて食べる美味しいラーメンだね!
「いや、もっと美味しいラーメンが在るみたいなのさ。何でも俺の先輩が言うには、千葉のこの先の漁村の竹岡に、今(1988年)は無いが、かって本当の元祖と言われる竹岡式ラーメンを作っていた店が在って、食べた人から聞くと、とにかく凄く美味いかったらしいんだ。......」
私は、弟から色々と話を聞いて、今ココで食べているラーメンの器を見て、中学生時代から続いていた長い間の謎が解けて来たのです。
それは、この器には明らかに『登録商標竹岡ラーメン』の表記がなされているから、ここで出されているラーメンは間違いなく「竹岡ラーメン」なのですが、とにかく何らかの形で、こういう形式のラーメンの商標登録をしなくては成らない事情がある事は確かなのです。そして、私は古くから木更津で「竹岡ラーメン」の看板を見ていましたが、弟の先輩の話にも在る通りに、長浦をも含めたこの辺り一帯ではこういうラーメンが「竹岡ラーメン」として古くから食べられていたという事実がある事が理解出来ました。
私は、それらの手掛りから色々と考えてみると「竹岡ラーメン」と呼ばれる物は、この時より5年程前にツーリングあの時の竹岡で見た「御当地ラーメン」がどうやら発祥らしいという事でした。私は、ウツロな記憶から竹岡の国道127号で見かけた2店舗程の屋号を呼びお越しました。たしかラーメン屋らしからぬ屋号の「スズヤ」→「鈴屋」と、「ウメノヤ」→「梅乃屋」を見た気がする。あの時寄ってみれば良かったけれど、何だか解らなくて、人気も無くい店に入る気もしないで通り過ぎでしまったあの時の事をかなり悔やんだのでした。
私は、この時の弟との会話(1988年)を機会として、当時千葉県人の極一部しか知らない幻のラーメン店がある事に、興味を持ちました。本当はこの食事中に、こちらのお店で、どんぶりに書かれている登録商標の事を色々と御聞き出来れば、新たなる事実が解ったのでしょうけれど、興味本位で商売裏事情を訪ねるのも失礼にあたりますので、致していませんでした。
私は、これを機会としてこちらのお店に、2009年の今でも20年以上に渡り幾度となく通い続けています。その当時は確かに「竹岡ラーメン」をうたっていらっしゃいましたが、現在は別の屋号で営まれています。
でも確かに言える事は、私hideが、最初に「竹岡ラーメン」を口にしたお店であり、作られていた女将さんも昔のままで、作り方も味も変わってはいません。とにかく今は「竹岡ラーメン」では無く、「竹岡式ラーメン」として食されて下さい。場所はJR内房線の長浦駅の駅前通りの商店街にあります。建屋は小さいのですが、お昼時になりますと、流石に混んでますね。中には食べたチャーシューの味を忘れられず、御土産用チャーシューを購入される方もいらっしゃいます。
私はコチラを訪れますと、必ず大盛りチャーシュー麺を注文いたします。だって、ココまで片道車で40kmも来ていますから当然ですね。08年は2度訪れましたが、このあたりも人口が増えたせいか訪れる客数は多くなっています。残念ながら昔の来客がマバラであった頃の方が、味の腰がシッカリとしていて今よりも数段美味かったと思えたし、トッピングされていた薬味の「刻みタマネギ」の量も多くて良かったと思うのです。
今回は、このラーメンの名称が「竹岡ラーメン」と「竹岡式ラーメン」と書かれているので始めて目にされる方は戸惑いを覚えた事だと思います。そこで次回は、この事に触れてみたいと思います。
次回予告:登録商標「竹岡ラーメン」と「竹岡式ラーメン」とは違うのか !
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